つわり、経験したことのない人にはわからない辛さですが、本当に辛いですよね。妊娠して喉が渇くのに水分が摂れない、飲むと吐いてしまう、経験している妊婦さんも少なくないかもしれません。
- 妊娠中に水分が不足するとどうなるの?
- つわりで飲み物が飲めないときはどうしたら良い?
- つわりが辛くて病院へ行ってもいいの?
つわりに悩む妊婦さんに知っておいてもらいたい事をまとめました。
そもそもつわりって??
つわり、妊娠の経験がない人でも言葉だけは知っているのではないでしょうか。
よく妊娠して「ウッ」と吐き気をもよおすシーンが取り上げられたりするので、つわりで吐き気が起こるイメージはあると思います。
ただ、実際のつわりは吐き気ももちろんありますがそれだけではありません。
吐き気、嘔吐以外にも、匂いに敏感になる、嗜好が変化する、眠気、頭痛、倦怠感、便秘や下痢といった症状が起こります。
こういった、妊娠によって起こる不快な症状の全てをつわりと言います。
つわりの原因は、いくつかの説があります。
- 妊娠することによって体内で妊婦に必要なホルモンが増え、急激なホルモンの変化に身体がついていけず、自律神経のバランスが崩れるため
- 胎盤がまだ未成熟であるために、妊婦の身体が赤ちゃん自体を異物として認識してしまうことでアレルギー反応が出る
- 流産を防ぐために母体があまり動かないようにするため
- 毒素となる食べ物を排除するため
こういった原因が考えられていますが、はっきりとわかっていません。
症状もですが、程度も個人差があります。
つわりがほとんどないという人から、何となく気持ち悪い、何となく眠いという人、何を食べても吐いてしまう、水分も摂れないという人まで様々です。
妊娠中は水分が必要!
妊娠中は普段よりも意識して水分を摂りましょう、と何となく聞いたことがあるかもしれませんが、妊娠中は通常の約1.5~2倍の水分が必要になります。
では、なぜ水分が必要なのでしょうか?お母さんのため、赤ちゃんのため、それぞれ理由があります。
- 妊娠中は代謝が良くなり、汗もかきやすいので、水分が必要。
- 便通を良くするため。
- 羊水に水分を必要とするため。
- 血液の流れが良くなることで、赤ちゃんに届く血液量が増える。
- 水分が十分であると、血液もさらさらになり、赤ちゃんに酸素や栄養が届きやすくなる。
人の体の約60~65%は水分でできていて、通常時も水分を十分に摂ることは大切です。
お腹の中の赤ちゃんは約90%が水分とさらに多く、赤ちゃんが健やかに育つためには水分が必要になるのです。
また、お母さんからの栄養は血液に乗って赤ちゃんに届きます。水分量は血液の流れにも関わるため、赤ちゃんに影響を及ぼすのです。
水分が足りないと赤ちゃんにも影響がある?
水分不足になると、お母さんが脱水症状になることもありますが、赤ちゃんが危険な状態になってしまう可能性もあります。
血液循環が悪くなる
水分不足になると血液がどろどろになり、赤ちゃんに栄養や酸素が届きにくくなって赤ちゃんの発育に影響を及ぼす可能性があります。
羊水不足になる
水分不足が原因で羊水不足になることもあります。
便秘になる
妊娠中はホルモンバランスの変化などで便秘になりがちですが、水分不足により、便が固くなってさらに便秘になりやすくなります。お母さんの腸内環境は赤ちゃんにも影響すると言われています。
飲んでも吐いてしまう…どうしたらいい?
食べ物は食べられるけれど、飲み物を飲むと気持ち悪くなる、吐いてしまうというつわり症状は珍しくありません。
私の場合は、それまで飲んでいた麦茶が気持ち悪く飲めなくなりました。
まずは、自分が飲めるものを探しましょう。
- お湯 水はだめでもお湯であれば大丈夫ということもあります。
- 炭酸水
- ジュース 水やお茶など味のないものはダメでも、味があれば飲めたり、柑橘系のジュースなどが飲みやすかったりする場合もあります。その場合は糖分の摂りすぎに気をつけましょう。
- コーヒーや紅茶 妊娠中はカフェインを控えている人も多いと思いますが、1日に2、3杯であれば飲んでも大丈夫です。飲みすぎに気をつけながら飲みましょう。
飲めるものが見つからない場合は、スープや味噌汁で水分を摂る、スイカやみかん、トマト、きゅうりといった水分の多い野菜や果物などで水分を摂る方法もあります。
水分は一度にたくさん飲めば良いわけではありません。飲めるものを飲めるときに少しずつ飲みましょう。
病院へ行ってもいいの??
つわりが辛い妊娠初期は、妊婦健診も月に1回のペースです。つわりが辛いという理由でわざわざ病院へ行ってもよいの?と迷うかもしれません。
でも、飲み物が全く飲めない場合、飲んでも吐いてしまう、など辛い場合はあまり我慢せずに病院で相談しましょう。
また、水分だけでなく食べ物も食べられない、など重い場合は、妊娠悪阻である可能性もあります。
妊娠悪阻の自己チェックポイントを5つあげます。
- 体重が一週間で5~10%と急激に減少した。
- トイレの回数が極端に減った。尿が出ない。尿の色が濃い。
- 数日、食事を摂れていない。
- 1日に何度も嘔吐し、水分も摂取できない。
- めまいや頭痛でフラフラして歩けない。
もし当てはまる症状があれば、妊娠悪阻という病気の可能性もあります。治療や入院が必要になることもあるので、すぐに病院を受診しましょう。
まとめ
- つわりの症状は人によって程度も症状も様々で、原因は明らかになっていない。
- 妊娠中は通常よりも1.5~2倍の水分が必要。
- 水分を十分に摂ることで血液の流れを良くなり、赤ちゃんに届く血液量、栄養や酸素が増える。
- 水分不足により、血液循環が悪くなる、羊水が少なくなる、お母さんが便秘になる、等が起きることがある。
- 飲んでも吐いてしまう場合は、何か飲めるものを探す。つわりの時期は飲めるものを飲めるときに少しずつ飲むようにする。
- 辛い場合は妊娠悪阻の可能性もあるので、無理をせずに病院で相談する。
つわりはずっと続くわけではありません。できることを試しながら、辛い時は病院に頼って、赤ちゃんのためにこの時期を乗り越えましょう。