まだ話すことができない赤ちゃんを、お世話するママにとって、一番の心配ごとは赤ちゃんの病気ですよね。
乳幼児がかかり易い病気の一つが中耳炎です。
なんとなく聞いたことはあるけど、詳しくは分からないというママさん必見です。
これって、中耳炎のサイン?
痛みや症状を、言葉でうまく表現できない赤ちゃん。
ただ機嫌が悪いだけなのか、具合が悪いのか判断するのは、難しいことです。
日頃から、赤ちゃんの様子をよく観察し、いつもと違うと感じたら、医療機関を受診しましょう。
中耳炎の痛みは大人が我慢できないぐらいの痛みになることがあります。
このようなしぐさや症状がありましたら、すぐに医療機関を受診しましょう。
なお、中耳炎には3種類あります。
- 慢性中耳炎
- 急性中耳炎
- 滲出性中耳炎
それではそれぞれについて見ていきましょう。
慢性中耳炎
慢性中耳炎は急性中耳炎が慢性的に続いた状態です。
急性中耳炎
急性中耳炎は、耳の中で細菌やウイルスが炎症を起こし、
- 発熱
- 耳の痛み
- 耳だれ
- 難聴
- 耳閉感(耳が詰まった感じ)
- 耳鳴り
があります。
中耳炎が疑われる赤ちゃんからのサインは、
- 発熱(39度~40度の高熱がでることがあります)
- 頭や首をふる
- 機嫌が悪い
- ミルクをあまり飲まない
- しきりに耳に手をやる
- 耳に触れると痛がる
- 夜泣きをする又は寝つきが悪い
- 大泣きしたり泣き止んだりを繰り返す
となります。
滲出性中耳炎
滲出性中耳炎は、中耳に溜まった滲出液が通常だったら、耳管を通ってのどや鼻水から排出されますが、耳管の通りが悪く、滲出液が出ていかなくて、たまったままになることから起こる中耳炎です。
鼻やのどの病気、急性中耳炎からなります。
難聴、耳閉感が主な症状です。
赤ちゃんからのサインは、
- 頭や首をふる
- 機嫌が悪い
- 話しかけても反応しない
- 声のする方を向かない
- 右耳と左耳で反応が違う
- 耳をしきりに触る
- ミルク飲みが悪く、あやしても反応が乏しい
です。
乳幼児はどうして中耳炎によくかかるの?
乳幼児は、大人と体の構造が少し異なることをご存知でしょうか?
赤ちゃんの胃は生後3か月ぐらいまで、入口が開いたままで、真っすぐなので、飲んだミルクを吐きやすい構造になっています。
耳の仕組みも、大人と多少異なります。
赤ちゃんの耳管(中耳内の空間と鼻やのどの奥をつなぐもの)は、太くて短く水平なので、鼻やのどについたウイルスや細菌が簡単に中耳に入り込んでしまいます。
中耳炎になる主な原因は風邪です。
風邪をひき、鼻水が出だすと、鼻水の中にいる細菌やウイルスが、中耳に入り込み炎症を起こして、中耳炎になります。
免疫力が低く、体温調節がまだうまくできない赤ちゃんは、風邪をひきやすいため、中耳炎にかかり易いのです。
風邪をひき鼻水がよくで始めると要注意です。
特に、黄色いねばねばした鼻水には、たくさんのウイルスや細菌がいる可能性が高く、中耳炎にかかる可能性も高くなりますのでこまめに鼻水を取り、鼻が詰まらないように気を付けてあげましょう。
ただし、中耳炎は多くの乳幼児が一度は経験する病気です。
あまり、神経質になりすぎないように、変わった症状や気になる症状があればすぐに小児科または耳鼻科を受診しましょう。
知っておこう。中耳炎の予防法
乳幼児が、中耳炎にかかる、主な原因は風邪です。
では、免疫力が弱い赤ちゃんが、風邪をひかないようにするには、どのようにしたらよいでしょうか。
普段から予防策を知ることで、赤ちゃんを中耳炎から守りましょう。
赤ちゃんは、部屋の中では、薄着にし(大人より1枚少なめ)、抵抗力をつけましょう。
室温は大人が寒くない程度に、暖めて、暖かくなりすぎないように注意しましょう。
暖かくなりすぎると返って、抵抗力がつかず、風邪をひきやすくなります。
適度な湿度を保ち、加湿のし過ぎに注意しましょう。
換気をこまめに行い、室内の空気をきれいに保ちましょう。
室内環境を整えることで、風邪を防ぐことができます。
また、3歳未満の赤ちゃんでは、肺炎球菌による中耳炎が多く、小児用肺炎球菌ワクチンの接種で予防がきます。
中耳炎は、夏にかかり易い病気と思われがちですが、それはプールの水が耳の中に入り、中耳炎になると思われているからではないでしょうか?
耳の中に水が入ることで、中耳炎になることはありません。
中耳炎は、主に風邪をひきやすい冬に、よくかかる病気なのです。
以上のことに、気を付けながら、赤ちゃんを中耳炎から守ってあげてくださいね。
中耳炎の主な治療方法
それでは、実際、中耳炎にかかってしまった場合、どのような治療法があるでしょうか。
中耳炎をひきおこす主な原因の8割~9割は、細菌(肺炎球菌、インフルエンザ桿菌(※インフルエンザウイルスとは全く別の細菌です)・モラクセラ・カタラーリスです。
治療方法としては、細菌を殺菌する、抗生物質の服用(5日間が目安)が主ですが、ここで注意したいのが、症状が軽くなり、赤ちゃんに抗生物質を服用させたくないからといって、途中でやめてしまうことがないようにしてください。
医者から、大丈夫ですよと言われた時点で、服用をストップしましょう。
途中で服用をやめてしまうと、ぶり返してしまったり、完治せず、また中耳炎を起こしてしまう可能性があります。
くれぐれも気を付けましょう。
急性中耳炎が完治せず、滲出性中耳炎(鼓膜のさらに奥の中耳空にうみ(滲水液)が溜まって抜けなくなった状態)になった場合は、家庭で鼻水のケアを行い完治するまで根気よく通院することになります。
または、耳管に空気を通し、鼓膜を切開してうみを取り出したり(鼓膜はすぐに再生するので心配はいりません)、鼓膜の切開部にチューブを設置して水が出やすくします。
また、中耳炎は夜おこることが多く、発熱、耳が痛いなどで救急にかかるケースもありますが、中耳炎が疑われる場合は、まず、家で様子を見て、次の日に小児科を受診しても大丈夫です。
ただ、痛がって寝付けかいようであれば、保冷材を布で包み、耳の後ろにそっと当ててあげたり、部屋の温度を下げて冷やしてあげると楽になります。
横になったときに、痛がる場合は起こしてあげると楽になるかもしれません。
試してみてくださいね。
意思表示が難しい赤ちゃんです。
日頃から、赤ちゃんをよく観察して早期発見・早期治療に結び付けましょう。