抱っこやベビーカーでお出掛けしていた赤ちゃんも、お母さんと一緒の自転車に乗せれば、その移動距離はグーンと広くなります。
更に自転車は、手軽なうえ荷物も乗せられますし、徒歩より早く目的地に着くし、バスや電車といった公共交通機関と違い、人目も気にせず気楽であったりと、一見良いことだらけにも思えます。
ですが、本当に自転車は良いことだらけな乗り物なのでしょうか?
そんな自転車と赤ちゃんについての大切なことを、こちらではいくつかまとめてみました。
目次
赤ちゃんを自転車に乗せてもいいの?
度重なる危険行為や事故などが続いた結果、法改正により自転車の二人乗りは原則禁止となりました。
それにより、小さなお子さんを大人運転する自転車に乗せる場合は、「子供乗せ専用車(自転車)」や「前乗せ・後乗せ(自転車用チャイルドシート)」を取り付けたり、ヘルメットを被らせないといけません。
とはいえ、まだ首や足の力が弱く慣れてもいない赤ちゃんを、自転車のチャイルドシートに座らせるのは難しいうえ不安です。
とはいえ、抱っこ紐を使った背中の“おんぶ”は法的に許された行為ですが、赤ちゃんを“前に抱っこ”をした状態で自転車に乗ることは「違法」とされています。
これは、2015年6月1日より改正道路交通法が施行された為で、抱っこ紐の対象年齢(※平均2歳)まで赤ちゃんを“おんぶ”しながら自転車に乗ることは可能です。
このようなことも踏まえて、赤ちゃんの首がちゃんと座った5ヵ月~7ヵ月頃(※個人差があります)に“自転車デビュー”が良いです。
自転車に赤ちゃんを乗せるときの危険性と注意点は?
抱っこ紐を使ったおんぶで自転車デビューをする際、気を付けなくてはならない点がいくつかあります。
抱っこ紐による自転車事故
- 抱っこ紐のベルトや紐などが自転車の車輪に巻き込まれ転倒する。
- 抱っこ紐がゆるみ、お子さんが落下してしまう。
- 停車中に前かがみや、屈んだり前傾姿勢をとってしまった際お子さんがスベリ落ちた。
自転車は、通常のおんぶよりも高い位置なうえ安定が悪いので、大人が前かがみな姿勢をとるときは、赤ちゃんに手を添えきちんと意識をするよう心がけて下さい。
また、首が座った赤ちゃんでも、“腰座り”はまだ出来ないお子さんも多いです。
そのような場合は、抱っこ紐でしっかりと赤ちゃんの体を密着させ、自転車のスピードは出さずに安全運転をしましょう。
そして赤ちゃんの体が大きめであったり、成長した赤ちゃんの足が運転を邪魔をしたり、赤ちゃんの重さでハンドル操作に支障をきたすようでしたら大変危険ですので、抱っこ紐でおんぶをしたまま自転車への乗車はやめるようにします。
赤ちゃんを乗せるための自転車ってどんなのがあるの?
通常の自転車に「前乗せ・後乗せ(自転車用チャイルドシート)」を取り付けたものや、「子供乗せ専用車(自転車)」などがあります。
通常の自転車にチャイルドシート取り付け
メリット
- 通常の自転車に後付でチャイルドシートを付ければ良いので、今まで使っていた自転車を使い続けることが出来る。
- 場所を取らない。
- 自転車が重くならない。
- 手軽。
デメリット
- 後付なので外れやすく安定の悪いものがあったり、自転車の安定が悪くなる場合もあります。
- ごくまれにお使いになっている自転車の形と、チャイルドシートの仕様が合わない場合もあるので注意して下さい。
子供乗せ専用車
電動アシスト付き自転車
メリット
- お子さんや重い荷物を乗せていても、漕ぎ出しが楽で安定したまま走れます。
デメリット
- 最低でも5~6万円から10万円以上と、通常の自転車よりもかなり高額です。
3段階変速自転車
メリット
- 変速機能を使えば、漕ぎ出しや坂道も楽々走れます。
デメリット
- 電動アシスト付き程ではありませんが、それでも価格が4万円以上と少々高めです。
子供乗せ専用車(ギア、電動無し)
メリット
- 子供乗せの設備が最初から取り付けられているため安全ですし、上記のものよりは価格も安めです。
デメリット
- ギア(変速)や電動が付いていないため、子供乗せの設備が重く感じられます。
子供乗せ専用車の特徴
専用車と銘打つだけあり、安定と安心を兼ね揃えています。
ですが、通常の自転車より高めなうえ、子供乗せの設備が取り外せない仕様のものも有りますので、ご注意下さい。
現在の自転車用チャイルドシートには、子供乗せ専用車と同等に使用できるものなどもあります。
それぞれのお子さんやライフスタイルに合わせながらも、決して安さや手軽さだけで購入するのではなく、安心できる自転車を選ぶように心がけて下さい。
※専用自転車はこれ以外にも、コクーン型やワゴン型など色々な仕様があります。
自転車に乗せるときに季節や時間帯って関係あるの?
赤ちゃんの自転車デビューには、天気がよく気温もそれほど高くない日を選んだうえで、短時間の試乗から始めてみます。
もちろん、夜や薄暗い夕方などの時間帯よりは、午前中の明るい時間や日差しもキツすぎない時間帯を選んで下さい。
また、夏は、炎天下のお昼を避けた午前中の涼しい時間や、まだ陽が残る夕方を、冬は暖かな時間帯に出かけてみましょう。
こうしたお出かけは、赤ちゃんだけではなくお母さんの気分転換にもなります。