いろいろな病気が流行する季節になりました。
発熱や咳など様々な症状がある中でも心身ともにダメージが大きいのは、嘔吐や下痢などお腹にくる症状ではないでしょうか。
それは赤ちゃんも同じです。
今回は赤ちゃんの下痢について見ていきます。
目次
新生児のうんち、下痢と見分けにくい!
みなさんは普段、赤ちゃんのうんちを観察することはありますか?
特に新生児では、うんちはとてもやわらかく水っぽいので、普段のうんちでも下痢のように見える赤ちゃんが多いですよね。
母乳栄養の赤ちゃんのうんちは黄色っぽく、ビフィズス菌による乳酸発酵が起きるため甘酸っぱいにおいがします。
ミルクなど人工栄養の赤ちゃんのうんちは黄色っぽいクリーム色で、腐敗臭がします。
これはどちらも正常なうんちであり、下痢の場合はここからさらにゆるい状態になります。
下痢とは一般的に水分(体内の塩水)を多く含んでいる便で、形がなく液状になっています。
排便回数も自然と増えますが、一度だけでも普段より水分の多いうんちが出ていれば下痢状態だと言えます。
ただし新生児のうんちは普段からやわらかく、下痢便と判別するのが難しいのが特徴です。
新生児が一度下痢になりますと、水便が1日10回以上出ることになります。
排便の様子も通常とは異なり、激しく噴き出すように排便するのがポイントです。
小さな赤ちゃんで下痢かどうか迷ったら、回数と排便の様子に着目してみましょう。
赤ちゃんの下痢、原因とは
赤ちゃんのうんちは、大人と比べてやわらかく、回数も多いことが特徴です。
なお、便が水っぽく更にいつもに比べて回数が多いなど、普段と違う場合は下記のような原因が考えられます。
また、赤ちゃんの下痢の原因は、消化不良ではなくウイルスや細菌による場合が多いです。
お腹にウイルスが入った≪お腹の風邪≫
- 夏風邪ウイルス
- ノロウイルス
- ロタウイルス
- アデノウイルス
など下痢を発症させるウイルスはたくさんあります。
季節もあまり関係ないので、一年中いつでもお腹の風邪にかかることはあります。
ウイルス性下痢の場合、うんちの色が通常より白っぽくなることが特徴です。
お腹に細菌が入った≪食あたり≫
- サルモネラ菌
- 黄色ブドウ球菌
- 腸内ビブリオ菌
- 病原性大腸菌
などの細菌が原因で引き起こされる下痢です。
赤ちゃんの免疫力は弱いので、細菌性感染症にかかるリスクも大人より高いと言えます。
その他、抗生物質を飲んでいる時に下痢を起こすことや、乳糖不耐症などのアレルギー性の下痢もあります。
普段から気を付けておくべき便の状態
うちの子供たちは揃いも揃って便秘気味だったので、私は新生児の頃から子供たちのうんちにはとても敏感でした。
昨日は出なかった、今日は出るかな、と不安と期待の入り混じった気持ちで過ごす毎日で、3人とも綿棒浣腸には何度もお世話になってきました。
赤ちゃんを卒業し成長していってからも、昔のくせで子供たちのうんちチェックは欠かしませんでした。
そのおかげか、私は子供たちのうんちに起きる変化にはすぐに気が付き、わりと早く体調不良の兆しに気付くことができたと思います。
早くに気付けば、症状が重くなる前にホームケアで緩和することもできますし、先手先手で対応することができるので慌てずに済みます。
というわけで、大事なのは普段の赤ちゃんのうんちの状態をチェックし、把握しておくことです。
普段の様子を知らなければうんちの回数や状態を比較して判断することはできません。
下痢の場合はうんちの回数が増え、水っぽくなるのが特徴ですから、普段のうんちの回数や形状を基にして判断しましょう。
また、いつもと比べてうんちの色や匂いに変化がある場合は要注意です。
その状態で、下痢や嘔吐・発熱がある場合は病気の可能性があるため、病院へ行くべきです。
脂っこいものを食べた時にもうんちに粘液が混じることがありますが、油ものを食べたわけでもないのに粘液が混じる場合は、腸の炎症を起こしているかもしれません。
病院に行くべきケースとは
赤ちゃんが起こす下痢の中には、緊急度の高い病気が隠れている場合もあります。
以下のような場合には、なるべく早く病院を受診しましょう。
- 熱があり、血便が出ている
- 下痢をしていて水分を受け付けない(脱水)
- 激しい腹痛がある
- 顔色が悪い
- ぐったりとしている
熱があったり血便が出たりしている場合は、細菌性の胃腸炎や急性腸炎の可能性があります。
腸炎には、アレルギー性腸炎やロタウイルス腸炎などいくつも種類があるので、心配な場合は必ず受診しましょう。
反対に、緊急性のあまり高くない下痢もあります。
たとえば、赤ちゃんの体質によっては、果汁や離乳食によって下痢を起こしてしまうケースもあります。
赤ちゃんが特に不快でなく、他の症状もなくてうんちだけがゆるいようであれば、心配はいりません。
下痢気味でも元気に過ごせている、顔色が明るい、いつものようにミルクや離乳食を口にできるなら問題はありません。
ただし、あまりにも下痢の回数が多かったり長く続いたりするようならば、念のため受診する方がいいでしょう。
下痢に対するホームケアあれこれ
症状がひどい場合や発熱、嘔吐などを併発している場合には受診しますが、それ以外なら家庭でできるホームケアで赤ちゃんをだいぶ楽にさせてあげることができます。
食事について
赤ちゃんや子供が下痢を起こすと、食事は控えた方がいいのではないかと考えるママもいるでしょう。
基本的には、食事はその子の欲しがるものを与えれば大丈夫です。
おかゆやうどんなどを与えても嫌がる子もいます。
嫌がるものを無理やり食べさせるよりは、その子のペースに合わせたものをあげればいいのです。
りんごのすったものを欲しがるならそのくらいのお腹だということですし、ハンバーグが食べたいというならハンバーグが食べられるくらい元気だということです。
赤ちゃんなら、下痢だからと言って母乳やミルクをあえて減らしたりする必要はありません。
食欲があるのはあまり心配のない証拠。食べさせると病気が悪化するような下痢なら、食欲もなくなっているものです。
水分補給について
食事は子供のペースに合わせるとして、必要なのは水分補給です。
下痢便はそのほとんどが体内の塩水ですから、失ってしまった水分と塩分を取り戻す必要があります。
ただの発熱での水分補給なら、飲ませるものは水でもお茶でもなんでも構いませんが、下痢の時は塩分も同時に補給できるもの、できれば経口補水液、症状が軽ければイオン飲料を与えましょう。
子供が飲みたがるのに任せるのではなく、こまめに飲ませます。
15分おきに2、3口という具合です。
まだ小さな赤ちゃんなら、母乳やミルクでも構いません。反対に、避けた方がいいのは、下痢を加速させてしまう柑橘類の果汁や乳製品、乳酸菌の多い飲み物、熱いものや冷たいものです。
お尻のケアについて
下痢は、デリケートな赤ちゃんの肌にとってとても刺激の強いものです。
下痢を繰り返すとすぐにお尻が赤くなり、下痢をするたびにおしり拭きで丁寧に拭くとますます赤くなってしまいます。
こんな時は、オムツを替えるたびにシャワーで洗い流すようにしましょう。
保湿剤でお尻を保護するのも大切ですね。
あまりひどければ、下痢で受診する際にお尻の状態も診てもらい、薬を処方してもらうといいでしょう。
まとめ
赤ちゃんの下痢は数日から1週間ほど続くものです。
その間、ママやパパにとっても心身ともにダメージの大きい日々が続くと思いますが、上手にホームケアして乗り切りましょう。