寝返りやお座りと並んで、赤ちゃんの成長過程のひとつとして捉えられる「指差し」行為。
いったい、どんな意味があるのでしょうか?
また、いつまでに指差しできればいいの?などなど、ママが気になる赤ちゃんの指差しについて、まとめてみました!
赤ちゃんの指差し行為とは
赤ちゃんが指差しする行為には、実は赤ちゃんのいろんな成長が関わっています。
ひとつは、赤ちゃんの認識や表現における成長。
赤ちゃんが何かを見て反応する時、そこには赤ちゃんと対象物、2者の関係が生まれていますよね。
これを、心理学や脳科学の専門用語では「二項関係」と呼びます。
少し、難しい言葉ですよね!
やがて、成長するにつれて、さらにその発見を他のだれか(ママ)に伝えようとするようになり、赤ちゃんの世界には赤ちゃん、対象物、そしてママという「三項関係」が生まれます。
ただ、このことは一見何でもないように見えて、実はとても重要な変化です。
そして、その変化が生まれてきたことを教えてくれる行動のひとつが、赤ちゃんの指差しです。
さらに指差し行為は、赤ちゃんの体の成長そのものも表しているんです。
これまでは、興味のあるものに対して漠然と手を伸ばしていた赤ちゃんが、指をバラバラにコントロールして人差し指で何かを指し示す、という行動自体が、赤ちゃんの手指機能の分化・発達を示していることになるからです。
月齢によって意味が変わる?
そんな指差し行為の持つ意味は、赤ちゃんの発達の過程ではっきりと変化していきます。
赤ちゃんが自発的に指差しを始めるのは、だいたい8~10か月頃からだとされていますので、その時期から順番に紹介していきます。
月齢はあくまで目安で、赤ちゃんによって個人差がありますので注意してくださいね。
【8~10か月頃】興味の指差し
赤ちゃんが、あれ?と気が付いたもの、驚いたもの、興味がわいたものに対して、指差しをします。
【11か月頃】要求の指差し
赤ちゃんが、「欲しい!」と思った物や、「行きたい!」と思った方向に指差しをします。
【1歳~1歳半頃】
叙述(共感)の指差し(三項関係の始まり)
何かを見つけ、「あっ!」と言いながら指差しした後に、ママの顔を見るのが特徴です。
この指差しが始まると、親子のコミュニケーションは急速に発達していきます。
質問の指差し
赤ちゃんが、「これは何?」と尋ねるように指差しします。
応答の指差し
「ワンワンはどれ?」などのママの質問に対して、指差しで応じます。
指差ししないと心配?
同じ「指差し」という行動でも、赤ちゃんがどの成長段階で行うかによって、これだけ意味が変わるとはびっくりですよね。
上記にもある通り、赤ちゃんがそれぞれの指差しを行う月齢はあくまで「目安」です。
なので、9か月や10か月になっても全然指差しをしないからといって、ただちに病気や障害を疑う必要はありません。
もし、赤ちゃんの様子を見ていてそれ以外にも気になる点があったり、不安に思うことがあったりする場合(例えば、ママの呼びかけに一向に反応しないなど)には、早めに医師に相談した方が安心です。
でもそうでない場合は、心配であれば1歳健診や予防接種の時に、ひとこと担当の医師に尋ねてみましょう。
安心できる説明をしてもらえたり、赤ちゃんとのコミュニケーションに関するアドバイスがもらえたりすると思います。
コミュニケーションを大切に!
指差しは、そんな赤ちゃんが、まわりの人に「こんなものがあるよ」「これが好きだよ」と訴えようとして取る行動です。
パパやママが、そのような赤ちゃんからの働きかけに一生懸命向き合って、できる限りの反応をしてあげることが何より大切なことです。
そのようなコミュニケーションが、だんだんと赤ちゃんの言葉の発達にも繋がっていくと考えられています。
だからと言って、「赤ちゃんの成長のために頑張らなきゃ!」と意気込みすぎると、ママが疲れてしまいます。
何も、難しいことをする必要はありません。
赤ちゃんやママが食事をしているときに野菜の名前を教えてあげたり、お散歩しているときに花の名前を教えてあげたりと、簡単なことを毎日続けてあげましょう。
そんなママとのコミュニケーションから生まれる安心感こそ、赤ちゃんの頭や心にとって、大切な栄養分になりそうですね。